日本財団・瀬戸内オーシャンズX
瀬戸内海洋ごみ削減行動促進支援基金
戦略的な海洋ごみの
削減・地域循環型社会形成
助成プログラム
1.本プログラムの趣旨
瀬戸内海に面した瀬戸内4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)と日本財団は、自治体を越えた広域の連携体制のもと、閉鎖性海域である瀬戸内地域での海洋ごみ対策を進めるとともに、循環型社会を見据えた“瀬戸内モデル”を世界に発信していくことを目指し2020年12月、協定を締結し、包括的海洋ごみ対策事業「瀬戸内オーシャンズX」を発足した。
瀬戸内オーシャンズXは、2025年3月までに瀬戸内海への新たなごみの流入を70%減らし、回収量を10%以上増やすことを目標とし、瀬戸内海の海洋ごみの全体量を減少傾向に転じて問題解決へ繋げていくことを目指してきた。
2024年4月には、これまでの取組の進捗状況や成果を振り返り、今後の展開について検討した結果、実施期間を2028年3月まで延長することとした。また、日本財団が実施した調査で、4県海域における1年間の海洋プラスチックごみ流入・発生量から回収量を差し引いた、海にたまり続けていると考えられる量が年間約86トンであるとの実態が明らかになった。そこで、この約86トンを新たな目標として、陸域・海域での積極的な回収と、海域での漁具などプラスチックごみの発生抑制によって海洋ごみの減少を目指す。また、問題解決を担う地域人材の育成や体制構築のほか、瀬戸内地域に根差した循環型社会のモデルを創出し、サプライチェーン全体を通じて波及を図るなど、具体的な活動を展開する。
瀬戸内オーシャンズX推進協議会は、そうした背景や現状を踏まえて、活動を強力に支援し目標を達成するため、日本財団の支援を受け、「瀬戸内海洋ごみ削減行動促進・支援基金」を2022年5月に設置し、助成プログラムを実施する。
背景・現状
- 海洋ごみの約8割は陸域で発生し、ごみが川や用水路などを通じて海に流出する。一度海へ流出したごみの回収は多大な労力を要するため、陸域でごみを回収することが重要となる。日本財団が実施した大規模川ごみ調査では、瀬戸内4県の人口が集積したエリアの280(総延長1,188km)の河川でごみが集中して散乱する箇所(ホット・スポット)が1,711箇所確認された。またプラスチックごみの年間流出量は200トン以上と推計される。台風や草が繁茂する時期など作業に支障がある時期を避け、懸案場所を捉えた効率的な回収活動モデルの実践が重要となる。
(参考)瀬戸内4県280の河川約1,200kmの流域を一斉調査海洋ごみ発生実態に関する記者説明会を開催 - 日本財団が実施したごみの発生量に関する調査データや、自治体・清掃団体が保有していた回収量に関するデータ等をもとに、4県におけるプラスチックごみの発生・回収量を算出したところ、年間約388トンが発生している一方で、主に公共機関が主導して約302トンを回収しており、その差が約86トンであることが判明した。
- 市民ボランティアが清掃活動できているエリアは懸案箇所の10%程度に留まり、質・量ともに十分とは言い難い。そのため、市民ボランティアに加え、職業上のスキルや専門知識を発揮して公益的活動に参加する専門性の高いボランティア(プロボノ)と連携した活動モデルの実践が重要となる。
- 一度海に流出し、アクセスが困難な海岸に漂着したごみや、海底に沈んだごみの回収は、漁業者の協力なくしては不可能である。操業時に混獲されたごみと漁獲物を船上で仕分けて陸揚げし、回収、処理をする一連の活動と、継続的に展開できるモデルづくりと実践が重要となる。
- 海洋ごみになり得る発泡スチロールなどプラスチックを多用するあらゆる産業において、発生抑制策が必要とされている。瀬戸内4県または他の地域と結びあわせた循環型社会のモデルを創出し、サプライチェーンを通じて波及させていく取り組みが重要となる。
2.対象となる団体
本プログラムの趣旨に沿った取り組みを行う日本の団体(※)、企業
※ 団体とは、一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、NPO法人、学校法人のほか、農業組合、漁業組合、自治会、その他公益的な事業を行う任意団体(法人格のない団体)などを指す。
3.対象となる事業の内容
「瀬戸内4県においての戦略的なごみ回収の推進に関する助成」「地域循環型社会形成に関する助成」の2枠で募集します。
特に、以下ポイントに関わる事業を求めています。なお、実質的な海洋ごみ削減に寄与しない、
または海洋プラスチックごみの削減効果が非常に少ない内容(啓発・啓蒙が主な目的である など)は対象外です。
― point
- 海洋プラスチックごみの削減につながる事業
- 効率的な海洋ごみの回収や担い手となる人材・団体の育成につながる事業
(専門性または作業性の高いボランティア人材の育成、地域での活動をコーディネートする調整力を持つ団体など) - 助成終了後もモデルや取り組みを継続的に実施するための、仕組みや体制の構築に寄与する事業
- 海底ごみなど、一般的なボランティアでは回収が難しい場所でのごみを安全に回収する事業
- 漁業系ごみや生活系ごみの資源循環、発生抑制につながり、数値でプラスチックの減少が計れる事業
(1)瀬戸内4県においての戦略的なごみ回収の推進に関する助成

(例)
- 川や海での回収活動を通じた地域での担い手の育成・専門的知見・スキル向上
- ホットスポットを踏まえた効率的なごみ回収活動、またはごみ漂流特性を踏まえた効率的な海岸ごみ回収活動、および、これらの活動に付随する自治体調整、安全管理、地元調整、実施検証、情報発信などの内容を含む事業の計画立案と実施
- 漁業操業時に混獲される海底ごみなどの回収・仕分け作業に貢献する漁業者・漁業協同組合などの支援および、これらの活動に付随する関係者の調整、情報発信などの内容を含む事業の計画立案と実施
(2)地域循環型社会形成に関する助成

(例)
- 瀬戸内4県の海洋ごみ削減に貢献しうる発生抑制、資源循環スキームの構築
※短期(1~2年)で問題解決が見通せる活動を対象とする - 清掃活動で回収した漁業系ごみのアップサイクルと、販売先など出口戦略も見込んだ資源循環スキームの提案
- 海岸清掃で回収した漂着ごみについて、資源循環の可能性を探る実証事業
- 生活系プラスチックごみ削減に直接的に寄与する消費者連動の発生抑制の取り組み
【申請時の留意点】
- 回収したごみは、原則として自治体により処理を行う形での調整を進める。
- 事業実施に必要となる安全管理、諸手続きは事業者自ら行う。
- 実質的な海洋ごみ削減に寄与しない、または海洋プラスチックごみの削減効果が非常に少ない内容(啓発・啓蒙が主な目的である など)は対象外とする。
4.対象となる申請および実施期間
次の予定で申請を受け付けます。
募集 | 申請期間 | 審査結果通知 契約締結日(目安) |
事業実施期間 |
---|---|---|---|
第7期 | 2025年5月12日(月) 〜2025年6月16日(月) |
2025年8月中 | 契約締結日〜 2026年9月30日(水) |
- ただし、瀬戸内オーシャンズX推進協議会が特に必要と認める場合は、既定の事業期間外でも申請の受け付けや事業実施を可能とする。
- 募集内容や募集時期などは変更する場合がある。
5.助成金の補助率
事業費の総額に対する助成金の補助率は、原則として80%以内とする。
6.対象となる経費
対象となる経費は、当該助成事業の実施に必要な経費とする。
- 科目は各団体の会計規則などにあわせて記入すること。
- 金額の高い業務委託・機材購入費などは、価格の妥当性を説明頂く必要があるため、申請前に見積書などを入手すること。
科目(例) | 内容 |
---|---|
臨時雇用費 | ごみ回収、実証事例の実施に直接必要な人件費などの経費 |
ごみ処理費 | ごみ処理費(一般廃棄物など) |
旅費交通費 | 事業を実施するために必要な出張旅費や交通費など |
委託費 | ごみ処理運搬・処理、専門的な工作加工や分析・検討など |
賃借料 | 設備、機械などのレンタル・リース業者からの借り受け |
消耗品-備品費 | 回収、事業に直接必要な消耗品・機材や備品などの購入費 |
印刷費 | チラシ、ポスターなどのコピー・印刷など |
通信運搬費 | 郵送料、宅配便代など |
会議費 | 会場借用料、会議茶菓子代など |
広告宣伝費 |
募集などに係るチラシ、ウェブなどの制作・発信に係る費用 ※ 媒体購入(新聞・テレビなどの広告枠の購入)には用いることができません。 |
事業管理費 | 事業を実施する上で必要な職員人件費・諸経費 |
保険料 | 事業に直接必要な活動保険、損害保険など |
雑費 | 少額かつ上記経費項目に含めることができない諸経費 |
7.申請手続き
申請受付期間
第7期:2025年5月12日(月)〜6月16日(月)
申請方法
8.結果の通知
審査結果は、採否に関わらずご申請頂いた皆さまに、以下時期に通知する。(それ以前の採否の問い合わせは回答不可)
第7期:2025年8月中
※ 第1~6期の審査結果はページ下部 “助成事業一覧” をご参照ください。
9.条件および留意事項
以下に記載する助成事業を実施する際の条件及び留意事項について、確認のうえ申請すること。
-
助成契約の遵守について助成事業が決定した際には、まず瀬戸内オーシャンズX推進協議会との間で「助成契約」を締結する。締結した「助成契約」に反する行為があった場合は、助成金の返還請求などを行うこともあるため、契約を遵守すること。また、助成事業終了後5年間は、事業関連の書類や取得物保管などの善管注意義務が発生するため注意すること。
-
助成表示について日本財団・海と日本PROJECT、瀬戸内オーシャンズXのロゴマークを活動実施時や事業の成果物などに表示すること。
-
完了報告書の提出について助成事業の完了後、15日以内に事業完了報告書(収支計算書を含む)を提出すること。
-
個人情報の取り扱いについて瀬戸内オーシャンズX推進協議会が助成申請に際して収集した個人情報は、当協議会の個人情報保護方針に基づき、助成事業に関する事務手続き、助成金の募集案内、瀬戸内オーシャンズXに関連するイベント案内、アンケートの実施、各種お知らせのみの目的に利用する。
-
実施成果の公表事業の目標に向けた進捗を管理し、今後の事業のより良い実施を目指すため、得られた成果や知見などに関する情報を瀬戸内オーシャンズXの公式ウェブサイトで掲載する場合があること。
-
知財関係事業完了後、知財の譲渡売却、知財化などを行う場合は、事前に瀬戸内オーシャンズX推進協議会へ報告すること。
ダウンロード
・申請から精算までの流れ(PDF:268KB)
※助成金交付後の各種申請様式は、「申請から精算までの流れ」PDF内からダウンロードできます。
【申請書フォーマット】
・収支予算書(様式第3号)(エクセル:76KB) 【記入例】
※各種フォーマット、資料については上記各リンク先よりダウンロードをお願いいたします。
助成事業一覧
(参考)
助成事業の活動レポートは こちら
お問い合わせ先
瀬戸内オーシャンズX推進協議会事務局
電話:087-802-1707 (平日9:00〜17:00)
メールアドレス:info@setouchi-oceansx.com